不動産投資の空室リスクとは?最大のリスクの原因と対策

不動産投資において、空室リスクの原因や対策について知っておくことはとても重要です。空室リスクは不動産投資における最大のリスクであり、そのリスクをどれだけ軽減できるかが、安定した経営を実現するための重要なポイントとなるためです。
この記事では、不動産投資における空室リスクの原因や損失、リスクが発生する前後でできる対策などについて解説しています。
不動産投資を始めたばかりの方や、これから始める予定の方は、ぜひご覧ください。
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目次
不動産投資の空室リスクとは
不動産投資における空室リスクとは、マンションやアパートなどの賃貸経営物件に空室が発生し、家賃収入が得られなくなるリスクのことです。
不動産投資の収入源は、入居者が支払う家賃であるため、空室になると家賃収入が途絶え、経営が赤字に転落する可能性があります。
毎月のローン返済や維持管理の費用を本業の収入や貯蓄などから補わなければならなくなるため、空室リスクはオーナーにとって非常に深刻な問題です。
空室リスクを最小限に抑えることは、安定した不動産経営を実現する上で、重要なポイントです。
不動産投資の空室率【現状と推移】
国土交通省「平成30年住宅・土地統計調査の集計結果(住宅及び世帯に関する基本集計)の概要」によれば、全国の空き家の数は約849万戸であり、そのうち賃貸用の住宅は約432万7,000戸(全体の51%)に上ります。
また、賃貸用物件の空室率は2003年には17.3%でしたが、2008年には18.4%に上昇し、その後はほぼ横ばいとなっています(2013年18.4%、2018年18.5%)。
ただし、東京都は10.6%と低い水準にありますが、秋田県は13.6%、高知県は19.1%など、地域によって空室率には差があるため、物件を購入する地域の状況を把握することが必要です。
不動産投資の空室リスクの原因とは
不動産投資の空室リスクの原因には、ライバル物件の増加や人口減少、相場より高い家賃などがあります。空室リスクの原因を理解することで、効果的な対策を講じることができます。
ここでは、不動産投資の空室リスクの原因について見ていきましょう。
マンションやアパートなど周辺物件が増えているため
空室が出てしまう主な原因は、周辺に競合する物件が増えることです。同じエリアに他の物件が増えると、所有する物件の空室率も高まる傾向にあります。
そのため、周辺に新しい物件が増えて空室リスクが上昇した場合は、新たな設備を追加するなどして、物件の魅力を向上させる対策を検討することが重要です。
対策が遅れると、空室が長期間続き、大赤字となる可能性があるため注意が必要です。
そもそも入居者が少なくなっているため
そもそも日本の人口が年々減少しているので、入居希望者の数も減少傾向にあり、地方等では需要に対する供給が見合っていない地域もあります。
ただし、東京などの都市部では人口が増加傾向にある場所も多くなっています。
空室リスクを軽減するためには、人口が増加している地域を選ぶことが重要です。人口が増加傾向にある地域では入居希望者の需要が高まるため、空室リスクを抑えることができます。
相場よりも賃料が高いため
設定した家賃が周辺の相場よりも高い場合は、入居者を確保することが難しくなり、空室リスクが高まる可能性があります。多くの人は家賃を重視して物件を選ぶため、家賃を相場よりも高く設定することはリスクを伴います。
家賃が相場よりも高い場合は、家賃を見直すことで空室リスクを軽減することが可能です。ただし、家賃を見直す場合は、収益性が確保できるか、赤字にならないかなど、事前にシミュレーションを行うことが大切です。
仲介会社へのアピールポイントが足りないため
仲介会社への物件のアピールが不十分であることが原因で、空室リスクが高まる場合があります。
通常、入居者を募集する際は、オーナー自らが募集活動をするのではなく仲介会社に委託します。
賃貸物件を探している人と直接コンタクトを取るのは仲介会社であり、物件の魅力を適切に伝えることができない場合は、入居者を確保する可能性は低くなります。
事前に仲介会社とアピールポイントをしっかりと共有し、自信を持って物件を勧められる状況をつくりましょう。
空室となっている部屋の状態が悪いため
部屋の状態が悪い場合は、空室リスクが高まる可能性があるため、注意が必要です。
- 壁紙が破れている
- フローリングが傷だらけ
- キッチンがサビだらけ
- 浴室のカビがひどい
- 設備が故障している
など、状態の悪い部屋は多くの人が敬遠するため、好立地であっても入居者を確保するのが難しくなります。
このような場合、壁や床、設備などのリフォームを行い、物件を新築の状態に近づけることで、空室リスクを軽減することができます。
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不動産投資の空室リスクにおける損失とは
上記のような原因で不動産投資で空室が発生すると、家賃収入が途絶えるため、赤字転落やキャッシュフローが悪化する可能性があります。また、空室期間中には水道光熱費や広告費などの負担が発生し、コストが増えます。
空室状態になってしまうことによってどのような損失が生じるのかを理解しておくことは大切です。
ここでは、不動産投資の空室リスクにおける損失について見ていきましょう。
家賃が滞る
所有する物件に空室が発生すると、家賃収入が入ってこなくなります。
賃貸経営では、入居者からの家賃が主な収入源となるため、入居者がいない場合は収入が減少します。特に物件を一つしか所有していない場合は、家賃収入がゼロになりますので、ローン返済などを本業の収入で賄わなければなりません。
もし空室が長期間続くと、赤字経営に陥ったり、キャッシュフローが悪化し、賃貸経営を継続することが難しくなる可能性があるため、注意が必要です。
維持費がかさむ
空室が発生すると維持費がかさみます。例えば、入居者がいる場合は、水道光熱費は全て入居者が負担しますが、空室の期間中はオーナーが負担しなければなりません。
また、入居者を募集する際には、不動産会社への広告費もかかります。家賃収入がない上に維持費が増えるため、経営に圧力をかける可能性があります。
不動産経営は、空室期間中も維持費が発生するため、空室リスクが低い物件を選ぶことが重要です。
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不動産投資物件の空室発生前からできる対策
不動産投資物件の空室発生前からできる対策として、ライバル物件と自社物件の分析や内見時の印象を良くする工夫などがあります。
これらの対策を講じることで、空室リスクを軽減し、入居率を向上させることができます。入居率の向上は、安定した不動産経営にとって重要です。
ここでは、不動産投資物件の空室発生前からできる対策について解説します。
ライバル物件と所有物件を分析する
空室リスクを軽減するために、競合物件と自社物件を分析しましょう。
分析をすることで、周辺より自物件の空室リスクが高い理由や、ライバル物件が講じている空室リスクなどがわかります。また、自物件の強みがわかるため、入居者を募集する際のアピールポイントが明確になります。
ライバル物件の主な情報収集方法は、以下のとおりです。
- 不動産会社に聞く
- ポータルサイトで調べる
- 直接物件を見学する
この分析は、空室リスクだけでなく、不動産経営の失敗リスクを軽減するのにも役立ちます。
内見時の印象を良くする工夫をする
多くの人は、物件を実際に内見し、その印象が契約するかどうかの判断に大きく影響を与えます。そのため、内見時の印象を良くすることで契約率を高めることができ、空室リスクの軽減につながります。
内見時の印象を良くする主な方法は、以下のとおりです。
- 内見前にキレイに清掃しておく
- ニオイ対策をしておく
- 夏・冬は冷暖房機器で適切な室温にしておく
- 小物やインテリア用品を置いて見栄えを良くする
- 家具を置いて生活をイメージしやすくする
- スリッパを用意しておく
- 周辺環境がわかる資料などを用意しておく
内見の質や対応は、不動産経営の成功率にも影響を与えるため、印象を良くするための工夫を忘れないようにしましょう。
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不動産投資物件の空室発生後にできる対策
不動産投資物件の空室発生後にできる対策には、募集条件の見直しや人気の高い設備の導入、リフォーム・リノベーションなどがあります。
あらかじめ対策を把握しておくことで、事前に具体的な計画が立てやすくなり、実際に空室が発生した際に、スムーズに対処することが可能です。
ここでは、不動産投資物件の空室発生後にできる対策について紹介します。
募集条件の見直しする
不動産投資物件の空室が続く場合は、募集条件の見直しを検討しましょう。
例えば、家賃や管理費を引き下げることで、入居者を早く見つけることができ、空室リスクが軽減する可能性があります。
また、ターゲットを変えることで、空室リスクが改善される場合もあります。
もし所有する物件で空室が発生しやすい場合は、募集条件の見直しを考えると良いでしょう。募集条件を見直す際には、不動産会社や管理会社に相談することをおすすめします。
入居者に人気の高い設備に入れ替える
古い設備がある場合は、空室発生後に新しい設備に交換することも一つの対策です。
キッチンや洗面化粧台、トイレ、シャワーヘッド、モニター付きインターホン、無料Wi-Fiなど、人気の高い設備を導入することで、入居率の改善と空室リスクの軽減につながります。
こちらは入居中にリフォームを提案して、退去を防ぐ手段としても有効的です。
新しい設備を導入する際は、どのような設備が人気なのか事前に調査することが大切ですので、設備導入にコストをかけすぎないように採算重視で、予算管理をしっかりと行って行きましょう。
入居者に人気の高いリフォーム・リノベーションをする
空室が発生する場合は、入居者に人気の高いリフォームやリノベーションを実施することで、空室リスクを改善できます。
- 最新の設備を取り入れ新築に近い状態にする
- 遊び心がありデザイン性の高い室内にする
- 周辺物件とは異なるカフェ風の部屋にする
など、さまざまなリフォーム・リノベーションがあります。大切なことは、ターゲットや費用対効果などを考慮して、リフォーム・リノベーション内容を決めることです。
不動産投資のリフォームについて、詳しくは下記記事でご紹介しています。
不動産投資物件のリフォームとは?リノベーションとの違いや費用相場~タイミングまで
空室保証がある不動産管理会社もある
管理会社によっては、空室保証(サブリース)の提供を行っている場合があります。
サブリースとは、管理会社がオーナーから物件をまるごと借り上げて、転貸する仕組みです。入居者は管理会社に家賃を支払い、管理会社はオーナーに家賃から手数料を差し引いた金額を支払います。
オーナーは、入居者の有無に関わらず、一定の収入を得ることが可能です。また、物件の管理業務も管理会社に委託することができます。
空室リスクを軽減したい場合は、空室保証を提供している管理会社を選ぶことも一つの対策です。
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まとめ
この記事では、不動産投資における空室リスクの原因や損失、リスクが発生する前後でできる対策などについて解説しました。
空室が発生すると家賃収入が途絶えるため、安定した不動産経営が難しくなります。
ライバル物件と自物件を分析する、内見時の印象を良くする工夫をするなど、しっかりと対策を講じて、空室リスクを軽減することが重要です。
これから不動産投資を始める方は、ぜひ、この記事で紹介した内容を参考にしてください。
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