投資マンションの固定資産税はいくら?
計算方法や支払い方法まで徹底解説
マンションに投資すると、毎年様々な経費や税金の支払いが生じます。
中でも重要なのが固定資産税です。
固定資産税は、マンションを所有している限り、毎年必ず発生します。
投資パフォーマンスを高めるためにも、減税措置は積極的に活用していきたいところです。
この記事では、マンション投資の固定資産税の仕組み、価格・築年数別のシミュレーション、減税措置などについて詳しく解説していきます。
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目次
マンション投資の固定資産税とは
マンション投資を始めるにあたって、収支シミュレーションが欠かせません。
この時、マンションの購入費や賃貸経営に伴う様々な経費、そして税金の支払いを織り込む必要があります。
マンション投資にかかる税金の中でも、特に重要なのが固定資産税です。
固定資産とは、土地や建物などの固定資産に対してかかる税金であり、資産価値に応じて課税されます。
マンションも固定資産の一つのため、マンション投資に取り組むならば、固定資産税を必ず支払わなければなりません。
不動産投資にかかる固定資産税の目安は、物件価格の約0.3~1%です。
中でもマンションは、戸建て物件などに比べて建物部分の価値が高いため、固定資産税も高くなる傾向があります。
投資用マンションの固定資産税は経費の対象になる?
マンション投資にかかるコストには、経費として認められるものと、認められないものがあります。
これに対し、各種税金は全て経費の対象となり、固定資産税も例外ではありません。
マンションの購入時に不動産取得税や印紙税、登録免許税などを経費計上するだけではなく、毎年課税される固定資産税・都市計画税も漏れなく経費に計上しましょう。
投資用マンションの固定資産税は確定申告の控除になる?
次に、確定申告と固定資産税の関係をみていきましょう。
マンション投資に取り組んでいる人は、毎年必ず確定申告を行います。
確定申告によって所得税・住民税が決まるため、経費を計上することで不動産所得を圧縮し、課税所得を減らすことが重要です。
また、青色申告特別控除などの各種控除によっても課税所得を減らすことができます。
固定資産税に対する控除制度はないものの、上記の通り固定資産税は経費として計上できるため、実質的に控除されるものと考えて良いでしょう。
投資用マンションの固定資産税の支払い方法とは?
固定資産税の納付書は、毎年4~6月ごろに送られてきます。
支払方法は、年4回の分割払いが一般的です。
納付期限は自治体ごとに異なりますが、基本的には3ヶ月に一回と考えてください。
一例として、令和5年度の東京都では、固定資産税の納付スケジュールを以下のように設定しています。
- 第1期…納付期限2023年6月1日~6月30日/納付期限6月30日
- 第2期…納付期限2023年9月1日~10月2日/納付期限10月2日
- 第3期…納付期限2023年12月1日~12月27日/納付期限12月27日
- 第4期…納付期限2024年2月1日~2月29日/納付期限2月29日
投資用マンションの固定資産税はどうやって決まる?
投資用マンションの固定資産税は、課税標準額に標準税率(1.4%)を掛け合わせることで計算します。
投資用マンションの場合、課税標準額は土地と建物で異なり、土地は「固定資産税評価額×特例率=課税標準額」、建物は「固定資産税評価額=課税標準額」となります。
固定資産税評価額は、公示価格の70%程度が目安です。
2年目以降であれば、固定資産税の納付通知書に記載されているため、簡単に確認できます。
ただし、土地の評価額は3年ごと、建物部分の評価額は毎年更新されるため、前年度の固定資産税評価額はあくまでも目安と考えてください。
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マンション投資における固定資産税は物件で異なる?
マンション投資にかかる固定資産税は、物件によって異なります。
新築か中古か、一棟マンションかワンルームマンションか、などによって固定資産税が変化するのです。
ここでは、新築マンションと中古マンションの固定資産税の比較、ワンルームマンションの固定資産税の計算方法と相場について解説します。
新築と中古物件では固定資産税が異なる?
新築マンションに投資した場合と、中古マンションに投資した場合とでは、固定資産税が異なります。
これは、マンションの固定資産税は「土地」と「建物」で決まるためです。
新築でも中古でも、土地の固定資産税評価額は変わりません。
しかし、建物部分の評価額は3年ごとに見直され、築年数が経過しているマンションほど評価額が低くなります。
このため、土地と建物の合算で見た場合、固定資産税は中古マンションよりも新築マンションのほうが高くなります。
ワンルームマンションでは固定資産税は異なる?
では、ワンルームマンションの固定資産税はどうでしょうか。
ワンルームマンションの固定資産税も、一棟物件と同じように「課税基準額×1.4%」で計算します。
ただし、200㎡以下のワンルームマンションは小規模住宅用地とみなされ、固定資産税の減税対象です(土地部分について、200㎡以下の部分は6分の1に、200㎡以上の部分は3分の1に軽減)。
一般的に、ワンルームマンションの固定資産税額は5万円が相場とされますが、実際には、躯体の構造によって建物の評価が変わり、エリアによって路線価も異なります。
固定資産税を正確に把握するならば、不動産業者から物件資料を取り寄せる際に、固定資産税を尋ねるのが確実です。
固定資産税が1年間で、どれくらいかかる?価格別シミュレーション
マンション投資の固定資産税は、具体的にどれくらいかかるのでしょうか。
既に述べた通り、マンションの固定資産税は「課税標準額×1.4%」で計算します。
この計算式に基づき、次の4つの価格別にシミュレーションしてみましょう。
- 投資マンション3000万の固定資産税はいくら?
- 投資マンション5000万の固定資産税はいくら?
- 投資マンション8000万の固定資産税 はいくら?
- 1億円のマンションの固定資産税はいくら?
以下で一つずつポイントを解説していきます。
投資マンション3000万の固定資産税はいくら?
まず、購入価格が3000万円の投資マンションを計算してみます。
公示価格の70%とした場合、このマンションの課税標準額は2100万円です。
したがって、このマンションの固定資産税は以下のように計算できます。
2100万円×1.4%=29万4000円
ただし、実際の固定資産税は物件ごとに異なり、軽減措置が適用される場合もあります。
例えば、東京都内で3000万円のマンションといえば、基本的にはワンルームマンションになるでしょう。
200㎡以下であれば、土地部分に対して6分の1の軽減措置を受けることができます。
さらに、ワンルームマンションは持ち分に応じて支払うため、総戸数が多いマンションほど固定資産税が安くなります。
購入価格3000万円のうち土地が2000万円、建物が1000万円、さらに総戸数が30戸であったとすれば、固定資産税は以下のようになります。
土地:(2000万円×70%)×1/6×1.4%×1/30≒1089円
建物:(1000万円×70%)×1.4%=9万8000円
固定資産税:9万9000円(千円未満は切り捨て)
※建物の評価額によっても変動があります。
※計算式は一例です。
※なお、税率は自治体によって異なる場合があります。
投資マンション5000万の固定資産税はいくら?
次に、中古の一棟マンションに投資した場合を考えてみましょう。
購入価格を5000万円とすると、課税標準額は3500万円、固定資産税は49万円です。
一棟マンションでも、一戸当たりの面積が200㎡以下であれば軽減措置の対象となります。
また、中古マンションは経年に応じて建物部分の評価が下がるのが特徴です。
5000万円のうち、土地を3000万円、建物を2000万円、築年数は5年(経年減価補正率0.8569)とした場合、このマンションの固定資産税は以下のように計算します。
土地:(3000万円×70%)×1/6×1.4%=4万9000円
建物:(2000万円×0.8569×70%)×1.4%=16万7952円
固定資産税:21万6000円(千円未満は切り捨て)
※建物の評価額によっても変動があります。
※計算式は一例です。
※なお、税率は自治体によって異なる場合があります。
投資マンション8000万の固定資産税 はいくら?
次に、8000万円の投資マンションを見ていきましょう。
こちらも、中古の一棟マンションとし、軽減措置の対象になるものと考えます。
ただし築年数は20年(経年減価補正率0.5054)と仮定します。
土地部分が5000万円、建物部分が3000万円の場合、このマンションの固定資産税は以下の通りです。
土地:(5000万円×70%)×1/6×1.4%≒8万1667円
建物:(3000万円×0.5054×70%)×1.4%≒14万8588円
固定資産税:23万円(千円未満は切り捨て)
※建物の評価額によっても変動があります。
※計算式は一例です。
※なお、税率は自治体によって異なる場合があります。
1億円のマンションの固定資産税はいくら?
最後に、1億円のマンションで考えてみましょう。
1億円ともなれば、エリアによっては新築マンションへの投資も視野に入ってきます。
詳しくは後述しますが、新築マンションでは、建物部分について2分の1の軽減措置を受けることができます。
また、1億円のマンションでも一戸あたりの専有面積が200㎡を超える物件は少ないため、小規模住宅用地の軽減措置を受けられる可能性が高いです。
購入価格1億円のうち、土地が5000万円、建物が5000万円と仮定すると、固定資産税は以下の通りです。
土地:(5000万円×70%)×1/6×1.4%≒8万1667円
建物:(5000万円×70%)×1/2×1.4%=24万5000円
固定資産税:32万6000円(千円未満は切り捨て)
※建物の評価額によっても変動があります。
※計算式は一例です。
※なお、税率は自治体によって異なる場合があります。
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固定資産税は1年間で、どれくらいかかる?築年数別固定資産税
固定資産税は、マンションの価格だけではなく築年数によっても変わります。
なお、ここでは築年数以外の条件を以下に統一します。
- 専有面積:200㎡以下(土地部分の評価額6分の1に軽減)
- 新築時の建物の評価額:2000万円
- 土地の評価額:3000万円
- 築年数によって土地の評価額は変化しないものとし、建物には法務省の経年減価補正率を適用する
中古マンションに投資した場合の固定資産税を、次の4つの築年数別にいくつかみていきましょう。
- 築20年の固定資産税はいくら?
- 築30年の固定資産税はいくら?
- 築40年の固定資産税はいくら?
- 築50年の固定資産税はいくら?
以下で一つずつポイントを解説していきます。
築20年の固定資産税はいくら?
築20年の中古マンションの経年減価補正率は0.5054です。
建物にはこの数値を適用し、また土地には6分の1の軽減率を適用した場合、固定資産税は以下のようになります。
建物:2000万円×0.5054×1.4%≒14万1512円
土地:3000万円×1/6×1.4%=7万円
固定資産税:21万1000円(千円未満は切り捨て)
※建物の評価額によっても変動があります。
※計算式は一例です。
※なお、税率は自治体によって異なる場合があります。
築30年の固定資産税はいくら?
次に、築30年の中古マンションの経年減価補正率は0.3059、土地の評価額は1/6とします。
これにより、固定資産税は以下のように計算できます。
建物:2000万円×0.3059×1.4%≒8万5652円
土地:3000万円×1/6×1.4%=7万円
固定資産税:15万5000円(千円未満は切り捨て)
※建物の評価額によっても変動があります。
※計算式は一例です。
※なお、税率は自治体によって異なる場合があります。
築40年の固定資産税はいくら?
築40年の中古マンションは、経年減価補正率が0.2089に設定されています。
こちらも小規模住宅用地の軽減措置を考慮し、固定資産税を計算してみましょう。
建物:2000万円×0.2089×1.4%≒5万8492円
土地:3000万円×1/6×1.4%=7万円
固定資産税:12万8000円(千円未満は切り捨て)
※建物の評価額によっても変動があります。
※計算式は一例です。
※なお、税率は自治体によって異なる場合があります。
築50年の固定資産税はいくら?
築年数が45年以上になると、中古マンションの経年減価補正率は一律で0.2000となります。
したがって、築50年のマンションの固定資産税は以下の通りです。
建物:2000万円×0.2000×1.4%=5万6000円
土地:3000万円×1/6×1.4%=7万円
固定資産税:12万6000円
※建物の評価額によっても変動があります。
※計算式は一例です。
※なお、税率は自治体によって異なる場合があります。
新築マンションの場合は、5年間固定資産税が2分の1に減額
ここまでの解説で、固定資産税の特例措置をいくつか紹介してきました。
小規模住宅用地の特例措置はポピュラーですが、これに加えて、新築マンションにはさらなる特例措置が適用されます。
特例措置の内容は、「新たに課税される年度から5年度にわたり、固定資産税が2分の1に減額」です。
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- 新築した年の翌年の1月31日までに減額を申告していること
木下不動産の投資マンション
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